症例24 頭蓋骨膜洞

症例24 頭蓋骨膜洞

<疾患の解説>

頭蓋内の静脈系と交通性を持つ、非拍動性の境界明瞭な頭皮の血管性腫脹。圧迫すると小さくなるか消えてしまい、生下時から認められることも多い。
頭部を下げたり、泣いたり、咳をしたり、Valsalva手技をしたりすると大きくなる。病変部の毛髪が少ない場合、皮膚が青みがかってみえる。頭蓋外の静脈との交通性がある。前頭部に多く、頭頂部、後頭部がそれに続く。後頭骨が関与することはなく、それよりも前(metopic sutureからinterparietal sutueの間)に存在。
病因は不明だが、外傷が原因の場合もある。
脳内の静脈性血管腫 venous angioma(intradural developmental venous anomaly)と同様に、静脈系の形成上のvariation、つまり病変ではなくextradural developmental venous anomaly(極端なvariation)と考える場合もある。
何らかの因子により、胎生晩期に一過性の静脈性高血圧が起こり、静脈の発達・形成に影響したとも考えられる。<症状>
外見的な特徴以外にとくにないことが多い。

<合併症>

動静脈奇形、小脳・網膜の血管腫、blue-rubber-nevus syndrome、dural sinus malformation、vein of Galen aneurysmal malformation、Galen静脈の低形成、髄膜瘤、顔面の血管腫、頭皮の静脈性血管奇形などを合併することがある。

<治療と予後>

多くの場合、外科的切除になる。血管内治療で切らずに治療が行われた症例報告もあり。

参照:頭蓋骨膜洞組織学的分類と治療 頭蓋骨膜洞