最善の医療提供を目指すために

最善の医療提供を目指すために
〜医療安全という医療における 重要なテーマに最適な解を生み出すために〜

超高齢化社会・医療DXといった新たな課題や進歩が進む医療業界の今。
ワイズ・リーディングは、様々な医療課題や問題に向き合う活動を事業として行っています。我々の事業活動の一つとして取り組んでいるのが、テクノロジーとの協業です。
その一つとして、M3AI株式会社と協力して進めている。読影の観点からの「医療安全」への取り組みをご紹介いたします。

医療安全という深いテーマに然るべき医療提供を目指すために

杉原氏(M3AI):読影医としてのキャリアを活かしながら、現役医師として医療現場の視点から課題に着眼した活動やテクノロジーを駆使した事業展開についての講演をお聞きしたことが、中山先生との出会いでもあり、我々と共に、現在抱えている医療課題へと向き合う第一歩でした。

私たちの企業といいますと、まず、「AIを使って、医療課題を解決する」ということをビジネスとして行いたい思いがあり、そのために現在活動を続けています。

様々なひと、発想、あらゆるテクノロジー、機材やその発明をして医療現場の改善が行われています。
中山先生の講演をお聞きしたときに、まさに、先生ならではのいろんな発想をお持ちであり、あらゆる課題に立ち向かっておられる姿勢に感銘を受けました。
また、とてもシンパシーを感じ、お会いしたいという率直な思いから、お伺いすることにいたしました。

医療業界における普遍的要素

杉原氏:「医療安全」という観点はずっと医療の中のある種大きなテーマとして存在しています。 これは、正しく診断をして、然るべき医療がきちんと提供できる環境を整備する。その中でも、やはり人が関わることにはもちろん、ヒューマンエラーやコミュニケーションミスなどの起因により、円滑に進まないこともしばしばあります。

特に医療となると、人の命に直結してしまう為、安全性ということに関しての考えからが非常に重要になってくるというのが、医療業界における普遍的な要素でもあるのです。 我々から見たとき、AIを手段にしたり、発揮したりして、何か問題解決を図れないものかと考えていたわけなのですが、中山先生への訪問がきっかけとなり、もしかしたら医療安全で質の担保が可能になるんじゃないかという発想に至ったのです。

例えばですが、AIを利活用することで、先生方の業務の効率化や時間の短縮、AIを活用した新たな診断方法というように生産性を上げる世界のことです。

中山(ワイズ・リーディング):ありがとうございます。正直とても嬉しいです。 現役医師でもある私の観点から、現場でのルーティン作業的に、検査ボリュームが大きい中に、一定数の病気が潜んでいたりして、見落とされてしまう事象も無きにしも非ずという現状の課題感などをお話ししていく中で、杉原さんと共に、「専門医がチェックできる仕組みづくり」ができるのではないか?という構想に辿り着いたのです。 もちろんこれは、病院側での見落としを未然に防ぐことにもつながりますし、何よりも患者様へのメリットが非常に大きくなります。 まずは、医療安全を確認できるサービスや仕組みづくりから始動していこう。と我々の協業が実現したのです。

自身の経験を未来の医療課題へと活かす

中山:実は、こうした考えに至ったのには、私の経験もあるわけなんですが、実父が肺がんを患っていました。
病院で診察も受けて、レントゲン撮影もしましたが、小さな肺がんの見落としがあったため、結果、取り返しがつかない状態まで進行してしまいました。
私自身も医師という立場でありながらも、家族としての立場で辛い経験があり、こうした悲劇を減らす方法があればと思っていたわけなんですね。
医師として私自身も見落としてしまう可能性もありながら、患者側の家族の気持ちも理解できるため、双方の立場を知っているからこそ、テクノロジーが進化した時代になった今、可能性が大きく広がってきたと感じています。
AIのような科学技術、テクノロジーを駆使して、病変を検出したり、医師のバックアップの体制を強化し、人や組織、チームなどの連携でエラーを防ぐ、病気が進行する前に未然に防ぐことにつながるのではと考えています。

双方の思いが重なった第一歩 読影とAIの組み合わせ

杉原氏:中山先生の読影現場にも立ち会わせていただきました。
画像診断を軸にその後の先生方が動く。この領域というのは、とても特殊だと感じました。
特に感銘を受けたのは、独自の工夫をして、効率的でありながらも見落としを防ぐためのワークフローを確立していたところです。
この読影現場を目の当たりにして、どのようにしたら多くの先生方に提供できるだろうか?と思うようになったんです。
また、先生の読影に対する向き合い方や姿勢にも感心しました。
だからこそ、AIを利用することを前提に、サービスの品質を評価した場合、中山先生と一緒にやらせていただきたいと思ったのです。

私たちの思いを重ねて生まれたのがこの読影とAIを組み合わせるプロジェクトの第一歩なんです。

これは、読影×AIの組み合わせにより、検査データを一括して確認するサービスです。
第一弾では、2022年1~3月までに10,623件の依頼実績があります。
続いて、第二弾、第三弾と精度を上げてAI検証を利用し、人の目では拾い上げることが難しいと言われる結節影を拾い上げることに成功しました。

未然に見落としがないか、あるかをまずは洗い出すことで、どのように具体的な改善が行えるのか?向き合えるか?そういう部分から協業を進めています。
今後それが、医療従事者や地域の建設的な変化へとつながっていくのではないかと考えています。

中山:私は医師として人を育てていき、杉原さんはAI領域で、共に共通している思いに対して高め合い、医療安全へと絡めていければと思うんですよね。

杉原 賢一
株式会社リクルートで医療領域の新規事業立上げなどに従事し、事業開発および営業を担当。 医療系ベンチャー企業の取締役COOを経て、エムスリー株式会社AIラボ所長、 AIプラットフォーム事業を運営するJVであるエムスリーAI株式会社の代表取締役を務める。

エムスリーAI株式会社
https://corporate.m3ai.co.jp/