症例22:くも膜下出血/pseudo SAH

症例22:くも膜下出血/pseudo SAH

<疾患の解説>

脳膜は外側から硬膜、くも膜、軟膜と続いていて、くも膜下腔はくも膜と軟膜の間に存在している。
SAHに特徴的な画像所見:くも膜下腔内がなんらかの機序(多くのSAHの場合は出血が原因)で周囲と相対的に高濃度になっている。
原因を探る必要がある(原因によって治療法が変わってくるため)が、くも膜下出血と紛らわしい画像所見を示すのがpseudo-SAH
動脈支配について考えるとpseudo-SAHの様々な原因の機序がすっきりと説明できる。
くも膜下腔に関与する血管支配について考えてみると、硬膜などくも膜下腔より外側は主に外頸動脈支配、脳実質は主に内頸動脈支配となっている。
脳浮腫が原因となるpseudo-SAHは、脳浮腫による脳圧亢進によって脳実質の内頸動脈支配の動脈圧が高まり、血管外に血液が漏出することが原因。

<治療と予後、合併症>

発症後の意識状態が予後に関係し、後遺症なく社会復帰できる人は3割、約半数はもしくは、治療対象外、残り2割では後遺障が残る。

参照:レジデントノート くも膜下出血(破裂脳動脈瘤)