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2022.06.30
第77回 外部講師による勉強会について

テレラジオロジーグループでは、月に2、3回ほど外部から放射線科医をお招きし、勉強会を開催しています。
画像や解剖学についての理解を深めるために、もし自分が当直だった時に遭遇したらどういう対応をすればいいのかを考えながら、時に自分で画像を動かして医学生の皆さんは参加しています!
私たち社員も勉強のため参加させていただいています。
今回のテーマは【脊髄疾患】について講義をしていただきました。
脊髄疾患は症例が稀であり、中々見る機会は少ないですが、命に関わる症例が多く、見逃すと大変危険な領域です。
脊髄疾患の主な分類
1.Cord damage(脊髄損傷)
→脊柱管狭窄をcheck!
※脊柱管が狭くないのに高信号→ope後の有無もcheck
2.脱髄/変性/炎症
MS(多発性硬化症)
NMO(視神経脊髄炎※範囲が広い)
亜急性連合性脊髄変性症(胃がんope後多発)
3.脊髄梗塞:急性発症
4.空洞症:無症候性も多い水と同等のT2強調画像で高信号
5. 腫瘍(髄内)
1.上衣腫(成人:出血、cyst)
2.星細胞腫(小児)
3.血管芽腫・・・VHL病(小脳多発)
6.硬膜動静脈瘻
などに大きく分けられます。
MRIでの脊髄疾患を評価する場合、重要なのがT2強調画像になります。T2強調画像がmiddle highを示すと、脊髄の異常信号として捉えます。また、3DのT2強調画像で脊髄評価を行うことで、より鮮明に描出、評価することが可能です。(椎間孔の評価や拡張して血管を描出)
アダムキュービッツ動脈
教科書により多少違いますが、Th9-L2の間に存在する脊髄の栄養血管であり、前脊髄動脈に血液を送る最も太い血管です。この動脈が閉塞すると、脊髄虚血・梗塞に陥る(対麻痺となる)可能性がある為、ope前に確認が必要になる時があります。
以上、脊髄疾患シリーズのご紹介でした。
いつも講義をしていただいている先生には感謝しかありません。今後、多くの学生にもご参加いただき、画像診断の魅力を伝えていければと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
投稿者 門口
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